小説レビュー『恋のゴンドラ』 東野圭吾

小説

東野圭吾の『恋のゴンドラ』を読んだのでレビューしたいと思います。

評価:3.0

感想:

主にゴンドラで展開される恋愛物語です。

浮気相手とゴンドラに乗っている時に、結婚を約束した同棲相手に鉢合わせするという展開から始まります。

ハラハラする場面も多く、登場人物全員が繋がり、スポットライトが当たる面白い物語になっています。

1日で読んでしまうぐらいの文量なので、気軽に楽しんで読めますが、最後がしっくりこないところがあり、星3つにしました。

以降がネタバレを含むので、まだ読まれていない方はここまでにして下さい。

先述したように、登場人物全員が余すことなく繋がっている所は面白いです。前半の物語の流れで、登場人物の繋がりが見えてきたので、この人も繋がっているのかと想像は容易にできましたが、巧みに繋がっていたので面白かったです。

主人公がいませんが、最後にメインになった桃実が主人公に近いかもしれません。

登場人物が次々と幸せを掴んでいく、幸せになっていく流れで、読んでいて気持ちよかったです。 しかし、最後のエピソード。どうして桃実だけが、ああいう終わり方になるんだろうか。残念です。

最後の広太の桃実に対してのエピソードは桃実に対して失礼だし、妻である美雪の友達をけなしていることになります。彼が嘘をまた披露していることから、改心していないようにも見えました。 最後は日田と桃実のハッピーエンドで良かったんじゃないかな。せっかく、日田と桃実が付き合うことになったのに、桃実を追い詰めるような展開になるなんて、残念。せめて日田と桃実が結婚してから、最後のゴンドラでの美雪と広太に鉢合わせする展開でもよかった気がする。

最後に桃実を落す流れってどういう意図があるのかわかりませんでした。サプライズや人をけなす面白さを出したかったのだろうか。私にはあのエピソードは不要で、気持ちよく読み終えたかった。

あとは、桃実と日田が実際に付き合って、桃実が日田を変えていくエピソードも欲しかった。そしてもちろん、プロポーズのエピソードも。お互い同士が、最後は誰よりも幸せになる展開が欲しかったですね。

なんとなく、物語の途中で終わった感じがしました。

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