【小説レビュー】妖怪の子預かります【廣嶋玲子】

妖怪の子預かります 小説

廣嶋玲子の『妖怪の子預かります』を読みました。

評価(4/5):★★★★☆

選んだ理由:評価が高ったので。

感想

人間の子供の弥助が妖怪を預かる話です。

心優しい弥助と色々な妖怪との楽しいやり取り、築かれる友情は読んでいて、穏やかな気持ちにさせてくれます。

漫画を読んでいるようで、情景がすぐに頭に浮かんできます。預かる妖怪ごとに章で分かれているので、区切りよく読めていきます。文章の長さも、それほど長くなく、1章は1時間あれば読めると思います。

シリアスで難解な小説も好きですが、この小説のように楽しく物語として読めるは、ストレス発散になりますね。

ここからがネタバレになります。

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最後の章の雛の君がうぶめということ、冥波己が襲ってきたことが月夜公が仕組んだことというのは驚きました。これを、よく千弥が承諾したなと思いました。なぜなら、冥波己は昔、弥助の母親を襲って食べてしまった妖怪だからです。弥助の心構えを試す為のものでも、さすがにやりすぎのような気がします。

弥助がどうして山中で一人でいたかという話になりますが、山中で母親が冥波己に食べられ、その衝撃で記憶をなくしてしまった。良くも悪くも冥波己と再会したことで、記憶が蘇り、気を落とさなかったことはよかったです。玉雪の事を思い出すことも出来て、心が温かくなりました。弥助は潔い心の持ち主ですね。

弥助は昔から心優しい子供であって、兎の玉雪を助けたり、常に千弥のことを考えたり、妖怪をきちんと世話してきました。そういった人柄だからこそ、周囲の人や妖怪が弥助を大事にしてくれるのだと感じました。

弥助と千弥の関係も、読んでいて、微笑ましく感じました。千弥が妖怪であること、それも大妖怪であることは、途中で読んでいてわかりました。ただ、どうして弥助をここまで大事にするのかがわかりませんでした。自分を本当に慕ってくれる人に出会えて、大妖怪であった千弥の心が変わり、千弥自身も愛情を弥助に捧げるように変わっていく。すごく理想的な、そんな世の中であって欲しいと思わされましたし、そうでなければと思いました。

読んでいて、自分も相手を思いやる人でありたいと思わさせられました。シリーズ化になっているので、次のシリーズも機会があれば読んでみたいと思います。

小説
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