【環境問題】プラスチックを食べるバクテリア

環境問題

2019年6月20日の朝日新聞の「ペットボトルむしゃむしゃ 堺で発見の細菌、世界救う?」という記事です。

ペットボトルむしゃむしゃ 堺で発見の細菌、世界救う?:朝日新聞デジタル
堺市内で見つかった細菌が世界の注目を集めている。ペットボトルを「食べる」性質があり、プラスチックごみ対策の切り札にしようと各国で研究が進んでいる。プラごみによる海洋汚染が国際的な問題となっており、プ…

少し前の記事なのですが、プラスチックを分解するバクテリア(細菌)とはどんなものか調べてみました。

このバクテリアの正式名称は『イデオネラ・サカイエンシス201-F6(英名:Ideonella sakaiensis)』(通称:サカイエンシス)です。なんと大阪の堺で発見され、その地名に馴染んでこの名前になったそうです。

サカイエンシスはPETを”テレフタル酸“と”エチレングリコール“に分解するそうです。プラスチックにも多くの種類があり、PETは俗にいうペットボトルの素材名で、世界で一番生産されているプラスチックです。

つまり、サカイエンシスはPETを餌にする生き物ということです。今、自然界に流出しているプラスチックをすべてサカイエンシスに食べさせれば問題解決になるのではと思ってしまいますが、やはりそこには課題があるそうです。それは分解するスピードが遅いということです。このサカイエンシスは2005年以前に発見されていますので、14年が過ぎていますが、まだどのゴミ処理場でも、このバクテリアを使ってゴミ処理をしているというのは聞いたことがありませんよね。今もなお、分解速度を上げる研究がされているそうです。

このサカイエンシスをググってみると、Youtubeにプラスチックを食べるバクテリアについて講演している動画がありました。

Youtube TED: “These bacteria eat plastic | Morgan Vague

モーガン・ベイグMorgan Vague)さんはアメリカのテキサス・ヒューストンの出身の方で、リード大学Reed College)の研究者です。彼女もプラスチックを食べるバクテリアを見つけました。彼女が見つけたバクテリアの正式名称はわかりませんでしたが、サカイエンシスとほぼ同じようなバクテリアだと思われます。

彼女はスピーチでPETの分解する効率化には、「紫外線をPETに当てること」で、バクテリアがPETを分解しやすくなると説明しています。PETを分解する過程の効率化については、サカイエンシスとモーガンさんのバクテリアにとっては共通の課題らしいですね。

確かに大量に出るプラスチックゴミを処理するためには、それ以上の処理速度が必要になります。まだこれらのバクテリアが実用化するのに時間がかかるかもしれませんが、実用化に至れば、化学的な処理をすることなく、自然界にいるバクテリアで、プラスチックを分解できることになり、自然の循環の理想的な処理になります。今はプラスチックのゴミ問題で、多くの研究機関がこのような研究をしているはずなので、近い将来、実用化されるのではないでしょうか。

理想は、コンポスト(生ゴミを土と混ぜて自然処理するゴミ箱)のように、このバクテリアを使ったプラスチック用のコンポストが家庭にできればいいなと思います。家庭から出るゴミも少なくなり、分解されたものは自然に還せることになります。

いずれにしても実現するまでは、無駄なプラスチックの使用(レジ袋等)は避け、プラスチックゴミを増やさないように努力したいと思います。

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